特色

宮崎県は九州の南東部に位置し、温暖な気候と美しい海岸線に恵まれた南国情緒あふれる県です。 県庁所在地は宮崎市で、人口は約100万人。 太平洋に面した穏やかな海と、神話の舞台「高千穂」など歴史的・自然的魅力を併せ持ち、 農業・観光・スポーツ振興がバランスよく発展しています。 地理的には、東は太平洋、西は九州山地に囲まれ、平野部が少ない代わりに 「日向灘（ひゅうがなだ）」沿いに雄大な海岸線が広がります。 県の南北を縦断する「日南海岸国定公園」は、 青い海とフェニックス並木が象徴的で、南国リゾートを思わせる景観が特徴です。 宮崎市から日南市にかけては「青島」「堀切峠」「鵜戸神宮」などの観光名所が連なり、 “ドライブしたくなる道”として全国的にも人気のルートとなっています。 気候は年間平均気温が17度前後と非常に温暖で、 冬でも雪がほとんど降らない過ごしやすさが魅力です。 「日照時間・快晴日数」はいずれも全国トップクラスで、 特に宮崎市・日向市・串間市などは冬でも太陽の光が降り注ぎます。 この温暖な気候を活かして、マンゴー・ピーマン・きゅうり・きんかんなどの施設園芸が盛んです。 なかでも「太陽のタマゴ（完熟マンゴー）」は全国的なブランド果実として知られています。 農業王国としての一面も宮崎県の大きな特色です。 県北部の延岡市・日向市では柑橘類や畜産が盛んで、 都城市や小林市では「宮崎牛」や「都城茶」など地域ブランドが確立。 畜産分野では全国でもトップクラスの生産量を誇り、 特に宮崎牛は「全国和牛能力共進会」で何度も日本一に輝いています。 農業・畜産・果樹栽培のバランスが取れており、食の宝庫としての地位を確立しています。 また、宮崎県は神話の里・霊験の地としても知られます。 県北部の「高千穂町」は、天孫降臨の神話で有名な「高千穂峡」や「天岩戸神社」を擁し、 古代から信仰と自然が調和する聖地として人々の心を引きつけてきました。 切り立った渓谷に流れる「真名井の滝」は、県を代表する景観のひとつです。 こうした神話の舞台は、観光資源としてだけでなく、県民の誇りでもあります。 産業面では、農業に加えて食品加工や観光関連産業が発達しています。 宮崎市・延岡市・都城市などの中核都市には工業団地が整備され、 自動車部品・電子機器・食品製造など多様な産業が展開。 特に延岡市は「旭化成発祥の地」として知られ、化学・繊維・医療関連産業が地域経済を支えています。 また、空港・高速道路・港湾などのインフラ整備も進み、物流・観光の両面で発展が続いています。 観光・文化分野では、温暖な気候を活かしたスポーツキャンプ地としても全国的に有名です。 プロ野球やJリーグの春季キャンプが毎年行われ、 「フェニックス・リーグ」などスポーツイベントが地域経済を活性化。 また、宮崎市街地には「シーガイアリゾート」「青島ビーチパーク」などのレジャー施設も整い、 国内外から観光客が訪れるリゾート県としての魅力を確立しています。 交通アクセスも良好で、「宮崎空港（ブーゲンビリア空港）」からは東京・大阪・名古屋・福岡など主要都市へ直行便が運航。 「JR日豊本線」「東九州自動車道」も整備され、県内外の移動がスムーズです。 近年は新しい道の駅や観光拠点の整備も進み、地域間の連携が強化されています。 このように宮崎県は、南国の自然・温暖な気候・豊かな食文化・神話と歴史が融合する魅力的な県です。 「青い海と緑の山」「神話とリゾート」「食と笑顔」。 そのすべてが宮崎らしさを形づくり、人々に“癒しと活力”を与えています。

交通情報

宮崎県は九州の南東部に位置し、鉄道・高速道路・空港・港湾が連携する南九州の交通拠点です。 海と山に囲まれた地形ながら、観光・物流・生活のいずれにおいても利便性の高い交通網が整備されています。 近年は東九州自動車道や空港アクセスの充実が進み、県内外の移動がよりスムーズになっています。 まず鉄道網の中心となるのは「JR日豊本線」。 福岡県の小倉から大分・延岡・宮崎・都城を経て鹿児島県の国分までを結ぶ、九州東部の大動脈です。 宮崎市の「宮崎駅」は県内最大のターミナルで、 特急「にちりん」「ひゅうが」などが運行。 福岡・大分方面や鹿児島方面への移動が快適に行えます。 また、沿線には「青島駅」「日南駅」「志布志駅」など観光地への停車駅も多く、 車窓からは日南海岸の絶景が望めるため、鉄道旅そのものが観光体験として人気です。 加えて、「吉都線（きっとせん）」がえびの市方面へ、「高千穂鉄道（廃線区間）」跡地は観光トロッコとして再活用されるなど、 地域密着型の交通整備も進んでいます。 鉄道が少ない地域では、バスネットワークがその役割を補完しており、 「宮崎交通」を中心に市街地から郊外・観光地までを結ぶ路線が整っています。 特に「宮崎駅～青島～日南」方面の路線バスや「シーガイアリゾート線」は観光客にも便利です。 高速道路も近年急速に整備が進みました。 「東九州自動車道」が北の延岡市から南の志布志市方面まで県を縦断し、 大分・福岡方面との連携を強化。 また、「宮崎自動車道」はえびのJCTから宮崎市へと延び、 九州自動車道と接続しています。 これにより福岡・熊本方面からの車移動が容易となり、 観光・ビジネス・物流の利便性が大きく向上しました。 特に宮崎IC・清武IC・都城ICなど主要インターチェンジ周辺には物流施設や商業エリアが整備され、 地域経済の活性化にもつながっています。 空の玄関口は「宮崎ブーゲンビリア空港（宮崎空港）」。 宮崎市中心部から約10分というアクセスの良さが特徴で、 JR宮崎空港線が直結しているため、鉄道での移動も快適です。 国内線は東京（羽田）・大阪（伊丹・関西）・名古屋（中部）・福岡・那覇など主要都市と結ばれており、 ビジネス利用にも観光にも便利。 また、国際線ではソウル・台北など東アジア方面へのチャーター便も運航され、 海外との観光交流が拡大しています。 空港内には「足湯」や「展望デッキ」、地元グルメを味わえるレストランがあり、 宮崎らしい“南国の玄関口”として旅行者を迎えます。 海上交通も発達しています。 「宮崎港」からは大阪南港とのフェリー航路「宮崎カーフェリー」が毎日運航し、 トラック輸送や観光客の移動に利用されています。 夜行便を利用すれば、翌朝には関西圏に到着できるため、物流の要としても重要な役割を果たしています。 また、日南市や串間市周辺では小型漁港やマリーナが整備され、 観光クルーズや釣り船などマリンレジャーの拠点としても活用されています。 都市部では、宮崎市を中心に公共交通の利便性が高く、 「宮崎駅西口バスターミナル」からは県内主要都市への高速バスが発着。 延岡・都城・日南・高千穂のほか、福岡・鹿児島・熊本方面への長距離バスも運行されています。 また、都市部ではレンタサイクルやカーシェアも拡大し、観光と日常の移動を支えています。 このように宮崎県は、鉄道・高速道路・空港・港湾・バスの五つが連携する総合交通ネットワークを形成しています。 温暖な気候と穏やかな景観の中を走る鉄道や道路は、 移動そのものが観光体験となる点も宮崎ならではの魅力です。 今後は東九州道の全線開通や空港路線拡充により、 南九州の交通ハブとしてさらに発展が期待されています。

観光情報

宮崎県は、温暖な気候と豊かな自然、美しい海岸線に恵まれた九州屈指の観光地です。太平洋に面した「日南海岸国定公園」は県を代表する景勝地で、南国らしいフェニックス並木が続くドライブコースとして人気を集めています。宮崎市から日南市へと続く海沿いルートには、多くの観光名所が点在します。中でも「青島」は外周1.5kmほどの小島で、島を取り囲む奇岩「鬼の洗濯板」と青い海のコントラストが美しく、宮崎観光のシンボル的存在です。島内の「青島神社」は縁結びのご利益で知られ、観光客やカップルに人気です。堀切峠からの絶景も日南海岸ドライブのハイライトとなっています。南へ進むと「鵜戸神宮」が現れます。太平洋を望む断崖に建てられた朱塗りの本殿は洞窟内にあり、波音が響く幻想的な神社として全国的に有名です。本殿前の「運玉投げ」は願いを込めて岩のくぼみに玉を投げ入れる人気の開運スポットで、日南観光の定番となっています。さらに南下すると「都井岬」に到達します。野生馬「御崎馬」が放牧され、岬全体が緑の草原と青い海に囲まれた絶景地。太平洋を一望できる灯台からの眺めは圧巻で、九州最南端の雄大な自然を感じられます。北部の「高千穂町」は神話の里として有名です。「天孫降臨」の伝説が残る「高千穂峡」は、高さ100m近い断崖の間を流れる五ヶ瀬川と「真名井の滝」が織りなす絶景が見どころ。貸しボートから見上げる滝の迫力は圧倒的で、全国から多くの観光客が訪れます。また、「天岩戸神社」や「高千穂神社」など、神話にゆかりの深い社寺が点在し、神秘的な雰囲気が漂います。県北の延岡市には山と海の両方を楽しめるスポットが多く、「愛宕山展望台」や「延岡城跡公園」は市街地を一望できる人気のビューポイントです。さらに「行縢（むかばき）山」では滝と渓谷のトレッキングが楽しめ、アウトドア愛好家に支持されています。一方、宮崎市にはリゾート型観光地も多く、「フェニックス・シーガイア・リゾート」はゴルフ場、ホテル、スパなどが一体となった複合施設で、国内外の観光客に人気です。青島ビーチやサーフィンスポットも多く、特に木崎浜は全国大会が開催されるほどの有名ポイントです。スポーツキャンプ地としても知られ、春にはプロ野球・Jリーグのチームが県内各地でキャンプを実施し、多くのファンが訪れます。グルメも宮崎観光の楽しみの一つです。県南では「地鶏の炭火焼」や「チキン南蛮」、日向市や延岡市では「日向夏」や「カンパチ」、都城では「宮崎牛」など、地域ごとの味覚が豊富。新鮮な果物や焼酎など、南国の恵みを感じられる食文化が観光客を惹きつけています。このように宮崎県は、青い海と緑の山、神話とリゾート、食と人の温かさが融合した「癒しとエネルギーの観光県」です。日南海岸のドライブから高千穂の神話探訪まで、自然・文化・グルメが一体となった宮崎の旅は、訪れる人に南国らしい開放感と深い感動をもたらします。

歴史や変貌

宮崎県は古代神話とともに歩んできた土地であり、「天孫降臨の地・高千穂」をはじめとする数々の伝説が息づく地域です。古代より「日向国（ひゅうがのくに）」と呼ばれ、九州の南東部で海と山に囲まれた豊かな土地として発展してきました。その歴史は、日本神話の源流と重なり、現在も県民の誇りとして語り継がれています。 神話の舞台として最も知られるのが「高千穂町」です。『日本書紀』や『古事記』には、天照大神の孫・瓊瓊杵尊（ににぎのみこと）が天から降り立った地として記されており、「天岩戸神話」など数々の伝承がこの地に残ります。高千穂峡や天岩戸神社、高千穂神社などは、古代信仰の象徴であり、現在でも全国から参拝者が訪れます。こうした神話信仰は宮崎全域に広がり、古くから自然崇拝とともに人々の暮らしに深く根付いてきました。 奈良・平安時代には、宮崎県全域が「日向国」として律令制に組み込まれ、地方行政の拠点が置かれました。日向灘を通じて京や大陸との交流もあり、海上交通の要衝として栄えます。この頃には仏教や農業技術も浸透し、神仏習合の寺社文化が各地で形成されました。延岡・日向・都城などでは古墳群も多く発見されており、古代から定住文化が進んでいたことがうかがえます。 中世に入ると、宮崎の地は九州の南部勢力が拮抗する舞台となりました。特に戦国時代には「伊東氏」と「島津氏」が覇権を争い、激しい戦いを繰り広げました。伊東氏は日向の国人領主として延岡から都城まで勢力を拡大しましたが、16世紀後半に島津氏が制圧。以後、薩摩・大隅を支配する島津家の領地として統治されます。南部の日南市には島津の支配下で整備された「飫肥城（おびじょう）」が今も残り、武家屋敷や石垣などが江戸の面影を伝えています。 江戸時代には、飫肥藩（伊東家）・延岡藩・高鍋藩などが成立し、農業と海運を基盤に地域経済が発展しました。温暖な気候を活かした米・サトウキビ・柑橘類の栽培が進み、日向灘沿いでは漁業も盛んになります。交通の発達は遅れたものの、豊かな自然と地場産業に支えられた自立的な地域社会が形成されました。 明治維新後、宮崎は鹿児島県・熊本県とともに新しい行政区に組み込まれましたが、1873年に「宮崎県」として独立。県庁は宮崎市に置かれ、近代化が始まります。鉄道や港の整備が進み、1930年代には観光地「青島」が全国的に知られるようになりました。昭和初期には南国リゾートとして注目され、昭和天皇の行幸や映画の舞台にもなります。 戦後は農業再生と観光産業の振興が進みました。戦後復興期には「フェニックス植樹運動」が行われ、県全域に植えられたフェニックス並木が南国ムードを象徴する景観となりました。高度経済成長期には「宮崎空港」や「日豊本線」が整備され、交通アクセスが改善。観光地「日南海岸」や「鵜戸神宮」「青島」が全国的に知られるようになりました。また、旭化成の工場進出により延岡市が工業都市として発展し、農業と工業の両輪で県経済が拡大しました。 平成以降は、食・スポーツ・観光の複合型地域として進化しています。プロ野球キャンプや「シーガイアリゾート」の開発などにより、リゾート県としてのブランドを確立。近年では、高千穂町の神楽や伝統行事がユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、文化・観光・地域振興が一体化しています。地元食材を活かした「チキン南蛮」「宮崎牛」「日向夏」なども全国的な知名度を得ており、宮崎は“南国の神話と現代が共存する県”として新たな発展を遂げています。