不動産投資の一つにトランクルーム経営があります。トランクルーム経営は低リスクながら高い利回りが期待できることで近年注目されています。この記事ではトランクルーム経営の運営方法や始めるまでの流れ、トランクルーム経営のメリットとデメリットをご紹介いたします。
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トランクルーム経営とは
トランクルーム経営とは、コンテナのような建物を建築し、その中の空間を収納スペースとして利用者に貸し出すことで賃料収入を得る事業のことです。以前は空き地にコンテナを置くだけのトランクルームもありましたが、現在は行政からの指導が厳しくなっているため建築確認を取得してトランクルーム経営をする必要があります。
トランクルームの経営方式
トランクルームの運営方式は大きく分けて「事業用定期借地方式」「一括借り上げ方式(リースバック)」「管理委託方式」の3種類があります。以下ではそれぞれの経営方式の特徴を紹介していきます。
事業用定期借地方式(貸地方式)
事業用定期借地方式とは自己所有の土地をトランクルーム事業者へ貸し出すことで地代を得る方式です。経営主体はトランクルーム事業者で、地主の収入は地代収入のみ、トランクルームの賃料収入はトランクルーム事業者に入ります。地主はいわゆる土地を貸すだけになるため最もリスクが低く、土地活用に時間や労力を割きたくないという人向けの経営方式です。
一括借り上げ方式(リースバック方式)
一括借り上げ方式(リースバック方式)とは、自分で設備投資したトランクルームを事業者に土地と建物を一括で借り上げてもらう方式です。地主はトランクルームの稼働状況に関わらず固定の収入を得ることができます。ただし、満室になったとしても地主の収入は変わらないため、本来得ることができる賃料収入からは目減りしてしまいます。トランクルーム事業者が空室リスクを負う分、収益は目減りしますがリスクを極力避けたい方へおすすめの経営方式です。
管理委託方式
管理委託方式はトランクルームの設備投資をした地主やオーナーが経営主体になります。トランクルーム運営に関する利用者の集客、料金収受、現場管理などをトランクルーム事業者に委託する方式です。一括借り上げ方式と違い、空室リスクは事業者ではなくオーナーが負うことになりますが、高稼働率を維持できれば多くの収入が入るため、リスクを負ってでもなるべく多くの収入が欲しい人におすすめの経営方式です。
トランクルーム経営を始めるには
実際にトランクルーム経営を始めるにはどのようにしたらよいでしょうか。トランクルーム経営をスタートするまでの流れをご紹介します。
土地活用相談
まずはトランクルーム事業者に土地活用の相談を行いましょう。
トランクルーム経営に適した土地
トランクルームは近隣に荷物の保管需要が高いマンションやオフィスビルがあるような土地が向いているでしょう。
ただし、必ずしも駅前の好立地である必要はありません。トランクルーム利用者のほとんどは車での利用を想定しているため駅から少し離れていても問題ないですし、敷地面積が小さく店舗やアパート経営が難しい土地でもトランクルーム経営なら成り立ちます。
また、トランクルーム設置のためにコンテナを運び入れるため敷地の間口や、前面道路の幅員が広くなくてはいけません。一般的には土地の間口が6m以上、全面道路の幅員も6m以上あるとトランクルームに向いている土地になります。
トランクルーム経営ができない土地
トランクルーム経営はコンテナをただ置くだけでは運営することができず、コンテナを建物として建築確認申請する必要があります。建築確認申請では建築基準法に適している建物かどうかを判断します。トランクルームの用途は「倉庫業を営まない倉庫」に該当されるため用途地域が第一種・第二種低層住居専用地域や第一種中高層住居専用地域、市街化調整区域に該当する地域ではトランクルームを建築・運営することができない土地となります。
また、建築基準法だけでなく市区町村ごとに法令による制限もありますので自分で調査するよりもトランクルーム事業者に確認してもらうのが良いでしょう。
商圏調査、プラン提案
トランクルームの建築が可能であれば次に商圏調査とプラン提案になります。トランクル-ム事業者がその地域でどのくらいのトランクルーム需要があるのか、競合他社がどのくらいあるのかなどを調査します。 商圏調査の結果を基に、実際に土地活用を検討している立地でコンテナを何基設置することができるのか、どのくらいの賃料収入を得ることができるのか、想定の収支シミュレーションなどプランの提案があります。
契約
トランクルーム事業者からのプラン提案のあとはトランクルーム事業者と契約を締結します。トランクルームは建物となりますので建築工事の請負契約とトランクルームの運営方式に合わせた管理契約を締結することになるでしょう。
設置工事着工/トランクルーム経営開始
契約締結後はトランクルームの設置工事が始まります。実際の現場では基礎工事から設置まで2~3週間で完了しますが、工事着工の前に建築確認の申請で1ヶ月程度かかるので契約からトランクルーム設置完了まで約2ヶ月程度はかかると考えておきましょう。
設置後に建築確認申請の完了検査を受けて問題がなければトランクルーム経営スタートとなります。
トランクルーム経営のメリットとデメリット
ここではトランクルーム経営のメリットとデメリットを紹介していきます。
トランクルーム経営のメリット
トランクルーム経営のメリットは以下の通りです。
アパート・店舗等に向いていない土地でも活用できる
トランクルーム経営は店舗やアパート経営に向いていいない土地でもできることがメリットです。人が集まるような駅前の立地でなくても、30坪ほどの狭小地からでも土地活用が可能です。
高い利回り
高い利回りで運用できることもトランクルーム経営のメリットです。自己所有の土地でトランクルーム経営を行う場合、投資利回り20%以上で運用することも可能です。土地を所有しておらず土地を借りてトランクルームを経営する場合でも投資利回り10%以上が見込める低リスク安定型の投資です。
初期投資がアパート経営など住居系の土地活用と比べて安い
高い利回りを実現する要因として初期投資の少なさが挙げられます。敷地の規模にもよりますがトランクルーム本体の価格は1基あたり100万円前後が相場となります。本体費用だけでなく基礎工事や設置工事などの費用が必要となりますがアパートや商業店舗よりも小額で建築することが可能です。
修繕費がほとんどかからないためランニングコストが安い
トランクルームは居住用ではありません。そのためトランクルーム内部の破損などが発生することがほとんどなく、利用者の入れ替わりによる修繕が不要なのでランニングコストを安く抑えることができます。
非住居なので利用者とのトラブルが少ない
騒音や臭いなど住居で発生するようなトラブルがほとんどありません。非住居のメリットといえるでしょう。
管理の手間や保守点検が不要
利用者の集客から料金のやり取り、現場管理などトランクルーム経営における業務はすべてトランクルーム事業者が請け負ってくれるため手間がかかりません。
成長市場
日本のトランクルーム市場は現在800億円程度ですが、2010年から2020年で約2倍の市場規模に成長しております。アメリカなど海外と比較すると日本における市場規模はまだ小さく、今後も市場規模は拡大することが予想されております。
安定収入
トランクルームは長く利用する方が多いため、一度稼働が安定してしまえば高稼働率を維持することができます。住居のように築年数が古くなると賃料を下げなければ入居が決まらないということもないため将来にわたって安定した収入を得ることが可能です。
万が一の際に土地の転用が容易
コンテナはクレーンで移動できるためアパートなどの不動産投資と比べると簡単に撤去することが可能です。万が一の事業撤退、ほかの土地活用への移行にも柔軟に対応できることもメリットといえるのではないでしょうか。
トランクルーム経営のデメリット
もちろんトランクルーム経営にはメリットだけではなくデメリットもあります。
収益が安定するまでに時間がかかる可能性がある
トランクルーム経営はトランクルーム設置から周辺住民に認知させて実際に利用者を集めるまである程度の時間が必要となります。最初の1年ほどは赤字となることも普通です。トランクルーム経営は長期で考えると低リスク高利回りの投資になりますが、収益化までには最低でも6か月以上の期間が必要になることを理解しておきましょう。
アパート・マンション経営よりも収益が少ない
アパート経営などと比較すると収入が低いことがトランクルーム経営のデメリットの一つです。利用者一人当たりの単価は約10,000円前後が相場なので住居系と比較するとどうしても安くなってしまいます。
相続税の節税効果が低い
トランクルーム経営では住居系の投資と比較して相続税の節税効果が低いことがデメリットです。借地借家法が適用される住居系の建物があると不動産の相続税評価額が低くなり、相続税を節税することができますがトランクルームには借地借家法が適用されないためトランクルームを建築することによる相続税の節税効果は低いといえるでしょう。
トランクルーム経営のメリットとデメリットを正しく理解してトランクルーム経営を始めよう
トランクルーム経営はアパート経営と比べて収益が少ない、収益化までに時間がかかるというデメリットもあります。しかし、需要がある適切な土地でトランクルーム経営ができれば将来にわたって安定した収益が見込める優秀な土地活用・投資方法です。不動産投資、土地活用をご検討の方は20年以上の実績とノウハウで、集客力がありトランクルーム経営へのサポート体制も整っているドッとあ~るコンテナでぜひトランクルーム経営を始めてみましょう。