押入れに収納するものはさまざまありますが、なかでも特にかさばってしまうものとして布団が挙げられます。普段使いしていない予備の布団などはトランクルームに預ければ、押入れの収納スペースに余裕を作ることが可能です。本記事では、トランクルームに布団を預ける場合の詳細やカビ・虫食い防止をするにはどうすれば良いのかについて解説します。

布団の正しい保管場所の条件とは

布団の保管を適切に行うためにはどのような条件をクリアしていなければならないのか、3つのポイントを解説します。

温度や湿度管理ができる

布団は湿気が溜まりやすく、高温多湿を好むカビやダニにとっては居心地の良い場所です。高湿度の環境は雑菌が繁殖しやすくなるため、湿気対策をしない状態で長期間保管していると、布団がシミ、害虫などの被害に遭ってしまいます。布団用掃除機はダニなどの死骸を吸引できますが、完全に吸引することは難しいです。そのため、布団をクリーニングしたうえで、湿度や温度管理ができる場所に保管できるのが望ましいといえます。

清潔である

カビの原因となるものには、ホコリが挙げられます。ホコリが多い環境はカビの繁殖を招いてしまうので、清潔な環境を保たなければなりません。布団は睡眠時に直接体が触れるものなので、清潔な状態にしておくことは重要ポイントです。布団は湿気が多いうえ、眠っている間にフケや垢、ホコリなども付着してしまいます。クリーニングをすればフケや垢は落ちますが、ホコリは保管中にも付着するものです。そのため、清潔な空間で保管するほうが良いでしょう。

十分なスペースがある

布団は狭いスペースに無理やり押し込んで収納すると、型崩れする場合があります。形が崩れてしまった布団は寝心地の悪さにつながるので避けたほうが無難です。また、形だけの問題ではなく、布団を狭いスペースに保管していると、空気の流れが悪くなることから高温多湿の環境がつくられやすくなります。高温多湿はカビや害虫の繁殖を招くので、布団は十分なスペースに保管しなければなりません。十分なスペースとは、布団を三つ折り以上しなくても収納できるスペースを指します。

トランクルームに収納できる布団の量

トランクルームに複数組の布団を片付けておきたいと考えている場合、どの程度の量が収納可能なのかを知りたい人もいるかもしれません。収納できる目安は、「敷布団、掛布団、毛布」の3点を1セットとして考えた場合、トランクルームの大きさが0.5畳の場合で2~3セット、1畳で4~6セット程度になります。つまり、トランクルームの大きさにもよりますが、家族全員分の使用していない布団を収納しておくことが可能です。ちなみに、0.5畳はクローゼット、1畳は押入れの広さをイメージするとわかりやすいでしょう。

トランクルームに布団を預ける準備

長期間保管する場合などに備えて、トランクルームに布団を収納する前に下準備をしておくのがおすすめです。

天日干しをする

布団は湿気が溜まりやすいので、天日干しをしてから収納するのが効果的です。天日干しによって、除菌や除湿が期待できます。天日干しをする方法は、よく晴れた日の10~14時の間に布団の表と裏を1時間ずつ干すだけです。注意したほうが良い点として、布団叩きがあります。布団叩きはあくまでも布団の表面のほこりを取り除くためのものであり、叩くのではなく、なでるように使用するのが正しい使い方です。布団を叩くとダニなどの死骸やほこりは細かく砕かれるので良いとはいえませんし、布団の内部に害虫がいた場合は奥深くに逃げてしまうので逆効果になります。そのため、布団叩きを使用しないか、使用する場合も軽くなでる程度にするのが良いでしょう。

羽毛布団の場合は天日干しではなく、風通しが良い場所で陰干しをしてから収納しましょう。トランクルームに預ける前に天日干しできる機会がなかった場合は布団乾燥機を使用し、しっかりと乾燥させるのもひとつの方法です。布団乾燥機は高温で布団を乾燥させるので雑菌の繁殖を防ぎ、雑菌、カビ菌にとって生息に適さない環境をつくります。そのため、除菌とともに消臭にも効果的です。

クリーニングをする

布団の汚れや臭いが気になっている場合は、あらかじめ専門業者にクリーニングをしてもらってからトランクルームに預けるほうが安心です。汚れや臭いがあるのは汗や垢、フケなどの老廃物、ダニなどの死骸などが原因であるため、それらを洗浄し、害虫の卵が産みつけられていた場合にもきれいに洗い流して繁殖を防止できます。プロのクリーニングでは中綿や羽毛まで専用洗剤で汚れの分解をすることが可能です。

しかも、プロの手で布団をクリーニングしてもらうと、高温の熱風によって短時間でしっかり乾燥できます。短時間での乾燥は雑菌の繁殖防止にも良いですし、乾ききっていないときのような生臭さも残りません。最後の専用乾燥機では布団内部に残っていたダニの死骸までしっかりと除去し、ふかふかとした仕上がりが期待できる点も良いところです。自分で洗濯すると乾燥させるまでに時間がかかり、かえって雑菌を繁殖させてしまう場合があるので避けましょう。

布団袋を使う

布団の保管には布団袋も効果的です。直接ほこりが付着するのを防ぎ、害虫の侵入も防止することが期待できます。布団袋は出し入れしやすいように開閉口が大きく、防湿・防虫効果があるものがおすすめです。また、再び布団を使用している間は布団袋はしまっておくため、できれば清潔に保てるように洗濯可能な素材のものを選びましょう。クリーニング済のものであっても、布団袋に入れる前にほこりや汚れをチェックしておくことが大切です。また、より多くの布団を収納したい場合は、布団用の圧縮袋も利用できます。ただし、羽毛布団の場合は羽毛の品質低下を招くため、圧縮袋の使用は避けるほうが無難です。

圧縮袋は長期間の保管は向いていないので、長くても6カ月程度を目安にしましょう。さらに、圧縮する際に空気を抜きすぎると出したときにボリューム不足になってしまうので、元の厚さの4分の1程度に圧縮するのがポイントになります。布団袋や圧縮袋から出した後は、日干しをしてから使用するのがおすすめです。

防虫・防カビ対策をする

トランクルームに保管している間に虫食いされては困るため、あらかじめ防虫剤を布団袋に入れておくことが大切です。害虫は高温多湿を好み、繁殖すればあっという間にその数が増えてしまいます。トランクルーム内のなかには空調設備が整っているところもありますが、そうではないところも少なくありません。

簡単にできる対策としてできるのが防虫剤や防湿剤を置くことです。防虫剤で害虫防止、防湿剤でカビやダニなどの害虫の繁殖しにくい環境づくりができます。防虫剤は香り付きのものもありますが、保管するのが布団なので無臭タイプを使用するのがおすすめです。防虫剤の匂いがしみこんだ布団では眠りにくくなる可能性があります。さらに、空気の流れを作るために、布団の下にすのこを敷いておくのも効果的です。すのこはさまざまな素材のものがありますが、湿度調整と防虫効果どちらも期待できるものとして、ひのきが挙げられます。ひのきは湿度調整するだけではなく、天然の防虫効果もあるからです。

トランクルームに布団を預けて押入れをすっきりさせよう!

トランクルームに布団を保管しておけば、押入れのスペースに余裕をつくることが可能です。ただ、使用後の布団は湿度が高くなりがちですし、睡眠時にフケや垢などが付着します。また、敷いてあるだけでもほこりがついてしまったり、目に見えにくい害虫が布団内に侵入していたりすることが多いです。そのため、トランクルームに預ける前にクリーニングや天日干しを行い、防虫・防湿剤を入れた布団袋や圧縮袋を利用しましょう。