トランクルームは設備として断熱材を使用していたり、通気口を作っていたりするので、基本的な利用に問題はありません。ただ、梅雨や冬など湿気が溜まりやすい時期になると、収納してある物にカビが発生してしまう場合があります。そこで、この記事では、具体的な湿気対策や湿気対策のひとつとして「すのこ」がおすすめである理由などについて解説します。

トランクルームは湿気対策をした方が安心

トランクルームは密閉性が高いという特徴があります。また、毎日空気の入れ替えをするのも難しいことから湿気が溜まりやすいです。カビが発生しやすい気温は20~30度、湿度は60~80%以上の環境といわれています。つまり、気温や湿度が上がりやすいトランクルームは、カビが発生しやすい環境がそろっているといえるでしょう。特に、湿度が高い場合、カビが発生しやすくなるため、できるだけこまめに換気や除湿をすることが重要です。

具体的にできる湿気対策

こちらでは、トランクルームで具体的にどのような湿気対策ができるのかについて紹介します。

すのこを敷く

湿気が溜まりやすい原因として、直接床に物を置くことがあります。これは、床と収納した物との間に空気が通りづらくなるためです。そこで、床にすのこを敷いてから荷物を置くことで、床との間にスペースを作ります。すのこ自体が板と板の間に隙間がある構造になっており、床に敷くと空気の通り道ができて循環しやすくなるのが良いところです。湿気が溜まりにくくなれば、カビ対策だけではなく、防臭や湿気を好むダニ・ムカデなどの虫も防ぐ効果を期待できます。

荷物は壁から離しておく

限られたトランクルーム内のスペースに1つでも多くの物が収納できるように、壁との隙間がない状態で物を置いてしまう人もいるのではないでしょうか。しかし、壁との隙間に関しても空気の通り道を作るほうが良いため、保管する物は壁から数cmほど離して置くほうがカビの発生を防ぎやすくなります。壁際は外気温との差で結露になりやすいので、ぴったりとつけて物を収納するのは避けるほうが無難でしょう。「空気の通り道を作る」というポイントを踏まえ、トランクルーム内に収納する際にはぎゅうぎゅうに詰め込みすぎないように気をつけることも大切です。

除湿剤を置く

湿気をできるだけ減らすためには、空気中の水分を吸収する除湿剤の設置も効果的です。除湿剤には「シリカゲル」のA型とB型、「塩化カルシウム」と3つのタイプがあります。シリカゲルはコロイド粒子(二酸化ケイ素)を高密度で集め固めたもので、A型は低湿度で高い除湿力を発揮するものです。ただ、吸収した湿度が一定量を超えると除湿力が低下してしまいます。

B型シリカゲルは、高湿度の場所でもしっかりと除湿が可能で、周囲の湿度の状態に合わせて吸収・放出を行うのが特徴です。そのため、密閉された状態のトランクルームに置くのであれば、A型よりB型シリカゲルがおすすめといえます。塩化カルシウムタイプは高い除湿効果がある一方、水分を吸収後に水溶液になるという特徴があります。万が一、水溶液がこぼれた場合には肌の炎症や液体が付着した部分がシミになる可能性があるので、安定した場所に設置するなど注意しましょう。

空気の入れ替えをする

湿気を減らす方法のひとつとして、定期的にトランクルームを訪れて空気の入れ替えをすることが望ましいです。可能であれば、週1~2回ほどを目安にしましょう。特に、梅雨や夏場は湿度が高くなりやすいため、こまめに換気をするほうがカビを防ぎやすくなります。また、ホコリもカビが好むものなので、空気の入れ替えをする際に軽くトランクルーム内の掃除をするのも効果的です。収納する物をトランクルーム内に持っていく前に、カビの原因となる皮脂や汗、ホコリをあらかじめ除去しておくのも良いでしょう。

荷物はよく乾かしてから保管する

湿気が残っていたり、濡れていたりしている状態でトランクルーム内に収納すると、ほかの物にも水分が吸収される場合があるので注意しましょう。たとえば、カビが発生しやすい衣類や布製品を保管する際には洗った後しっかりと乾燥し、衣装ケースなどに入れたうえで収納するのがおすすめです。また、布団は収納前に乾燥機で湿気をとばしてから収納するのがコツになります。

もし、使わない洗濯機や冷蔵庫などを保管する場合は、十分水抜きをしたうえで乾燥した状態で収納しておくほうがカビさせずにすみます。釣りの道具やほかのスポーツ用品、アウトドア用品といったものは雨や水で濡れることも多いため、洗って汚れを落としてから水分を拭いたり、乾かしたりした後で収納するほうが安心です。

すのこの設置方法とお手入れのポイント

トランクルーム内には、床と壁の両方にすのこを設置するのが有効です。設置面全体に空気の通り道ができるため、湿気が溜まりにくくなります。すのこの下に除湿シートを敷いておくと、より効果的です。物を重ねて収納する場合も、間にすのこを挟んでおくほうが良いでしょう。すのこには木製のものとプラスティック製のものがありますが、プラスティック製の場合は吸湿効果を期待できないので除湿剤と併用するのが無難です。木製のすのこはカビてしまう場合がありますが、そうなった際はサンドペーパーでカビを削りとり、天気の良い日に陰干しすることで再び使用できるようになります。普段のお手入れは定期的な掃除のみでも問題なく、収納してある物やトランクルーム内に溜まるホコリを取り除くのがおすすめです。

トランクルーム向きのすのことは?種類と特徴を解説

すのこの素材は「桐」「ひのき」「プラスティック」の3種類があります。こちらでは、種類別の特徴を見てみましょう。

桐のすのこは価格がお手頃でひのきより軽く、吸湿性が高いといわれています。しかも、湿気を吸収し、湿度のコントロールができる効果があるため、複数の木製すのこをお手軽に手に入れたいときには桐が向いているでしょう。防火性や防虫効果も期待できるので、トランクルーム内に設置する場合も有効です。ただ、軽い分、強度が弱めなことから、重い物を収納したい場合にはほかの素材で作られているすのこを選択するほうが長く使用できます。

ひのき

すのこの素材で多いといわれているのがひのきです。これはひのきが高い吸湿性や抗菌・抗カビ効果を持ち、防虫、消臭なども期待できるからといえます。しかも、桐より丈夫で重いため、さまざまな物を収納したい場合に向いているでしょう。ただ、桐のすのこより価格が高めなので、広いトランクルーム内に設置する場合はすのこだけで高額な費用がかかってしまいます。そういった場合は、ほかの素材のすのこと組み合わせて使用するなど工夫をするのがおすすめです。ひのきは、丈夫で抗菌や抗カビなどさまざまな効果があるすのこを使用したいときにおすすめです。

プラスティック

プラスティックのすのこは軽くて持ち運びしやすいことから、女性や高齢者も使用しやすいです。木製ではないので、すのこがカビてしまう心配もありません。ただ、すのこ自体に吸湿性、防虫や防臭といった効果がないため、あくまでも隙間を作り、空気の通り道を作る目的で使用することになります。除湿のためには、除湿剤を置くなどの工夫が必要です。また、木製すのこと比較して耐荷重量が小さいので、重い物を収納する場合には向いていません。そのため、軽くて扱いやすく、トランクルーム内に重い物を収納する予定がない場合に向いています。

トランクルームは適切な湿気対策をして気持ちよく使おう

屋外トランクルームは車からすぐに荷物を運び込めるなど便利です。ただ、収納している荷物にカビが発生しないように、湿気対策や定期的な空気の入れ替えをしなければなりません。湿気対策として効果的なもののひとつが「すのこ」ですが、桐やひのき、プラスティックと3種類の素材のものがあるため、収納する物やトランクルーム内の状態によって使い分け、心地よく使えるようにしましょう。